犬にアボカドを食べさせるのはリスクが伴う!
アボカドは、犬に食べさせないほうがよい果物です。
確かに、アボカドは人の健康によい栄養成分が豊富ですが、犬が中毒を起こす成分も入っているため、できれば食べさせないほうがよいと考えられています。
実は、犬にアボカドを食べさせてもよいのかについては、未だに明確な答えが導き出されていないため、アボカドが配合されたドッグフードやおやつなどがあるのも事実です。
しかし、「うちの愛犬はどうかな?」などと、リスクを承知しながら食べさせる必要はないと思います。
特に、アレルギー体質の犬や免疫が落ちている犬には、ひと口も食べさせないでください。
今回は、アボカドの特徴や犬に危険な中毒成分についてお話しします。万が一、犬がアボカドを食べてしまった際の対処法も知っておきましょう。
アボカドに含まれる栄養成分と犬に危険な中毒成分
「森のバター」とも呼ばれるアボカドには、どんな栄養成分が入っているのか、特徴を簡単に見ていきましょう。
アボカドの栄養成分と効果
・カロリー:小さめ1個で、ご飯茶碗一杯分程度の高カロリー
・不飽和脂肪酸:リノール酸やオレイン酸などを含み、老化や動脈硬化を予防する
・ビタミンE:抗酸化作用による老化予防や、血流をよくして冷え性などを改善する
・ビタミンB2:脂肪燃焼をサポートする
・カリウム:塩分濃度をコントロールし、むくみを解消する
・食物繊維:腸内環境を整え、便通をよくする
・プロトカテク酸:ガン細胞の増殖を抑制する
上記のように、アボカドは高カロリーで栄養価の高い果物です。
犬が中毒を起こす可能性がある成分
アボカドに含まれる「ペルシン」という成分は殺菌作用を持っており、人間には無害ですが犬は中毒を起こす可能性があります。
ペルシンは、主にアボカドの皮や種に含まれています。問題は、可食部、つまり果肉部にも中毒を起こすペルシンが含まれているかどうかです。
ここが意見の分かれるところで、「果肉にもペルシンが含まれている可能性がある」という見解や、「犬に有毒なほどの量は含まれていない」と、両極なのが実際のところ。
どのくらいのペルシンを犬が食べたら死に至るのか、致死量もわかっていません。
しかし、犬がアボカドや種を食べた結果、中毒により死亡したケースがあるため、食べさせてはいけない果物と考えられるようになっています。
ドッグフードやおやつにアボカドが配合されていることがありますが、なんらかの処理を行って毒性をなくしているとも考えられます。
ですから、アボカド入りのドッグフードが存在するからといって、犬にアボカドの果肉を食べさせてもよい、ということにはつながらないので注意が必要です。
アボカドが犬に引き起こす中毒症状
アボカドに含まれるペルシンによって引き起こされる、中毒症状を知っておきましょう。
・嘔吐
・下痢
・胃腸障がい
・呼吸困難
・心筋障がい
・肝障がい
・ラテックス・フルーツ症候群(※)
犬がアボカドを食べた場合、下痢や胃腸障害などの軽症で済む可能性が高いといわれていますが、重い中毒症状を起こしたという事例も発表されています。
さらに、場合によっては死亡する可能性もあるため、犬にはアボカドを食べさせないほうが安心です。
また、アボカドはカリウムも多く含むため、カリウムの過剰摂取による高カリウム血症のリスクがあります。
※ラテックス・フルーツ症候群とは、アボカドやバナナ、栗、キウイなど特定の食品に含まれるタンパク質に反応して、蕁麻疹や喉の痒み、アナフィラキシーショックなどを起こすアレルギー症状のことです。花粉症の人は特に注意が必要といわれています。
犬がアボカドを食べてしまった際の対処法
アボカドに中毒成分があることを知らずに愛犬に食べさせたり、誤食してしまったりした際の対処法を知っておきましょう。
アボカドをひと口~大量に食べさせた場合
アボカドを愛犬ちゃんにひと口しか食べさせていなくても、ペルシン中毒を起こす場合もありますし、犬の体調や免疫などによって症状が出ないこともあります。
なにかいつもと違う様子を感じた場合や、アボカドを大量に食べさせた場合は、動物病院に相談してください。
アボカドの皮や種を食べていないか確認
飼い主様の目を盗んで愛犬ちゃんがアボカドを誤食した場合は、皮や種をかじっていないかを確認しましょう。
日本で流通しているアボカドの種類は、ペルシンを多く含んでいます。愛犬ちゃんが皮や種を食べていた場合は様子見をせずに動物病院に連絡し、対処法の指示を仰いでください。
また、アボカドの種を丸飲みしていた場合、腸で詰まってしまう可能性があります。状況を冷静に確認し、獣医の診察を受けましょう。
なんでも食べてしまうクセや、喉を詰まらせることが多い愛犬ちゃんの命を守るためには、緊急時の気道確保や異物除去の方法も学んでおくとよいでしょう。
犬にはアボカドは食べさせないほうが安心
アボカドには、犬が中毒を起こす可能性があるペルシンが含まれています。皮や種はもちろん、果肉部も食べさせないことをおすすめします。
アボカドを買ってきた際は、犬に盗み食いされないように保管して、万が一の事態を防ぎましょう。