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犬に牛肉を食べさせてもよいのか?

牛肉

犬に牛肉を食べさせても大丈夫!

ご家庭でも食べることの多い牛肉ですが、最近ではアンチエイジングにもよいとしてあらゆる年代の方に人気の食材です。

すでに愛犬に食べさせている飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。結論からお伝えすると、犬に牛肉を食べさせても大丈夫です。

愛犬ちゃんに安全に食べさせるためにも、牛肉のどんな点がよいのか、リスクはないのかといった知識も得ておきましょう。

そこで今回は、牛肉の栄養や注意したいポイントについてお話ししていきます。

牛肉の栄養が犬にもたらす健康効果

牛肉には、タンパク質を始め、鉄や亜鉛、リンなどのミネラル、ビタミンB1、B2、B12といったビタミンも含まれています。

さらに、「コエンザイムQ10」や「カルニチン」など、犬の健康に役立つ成分も注目されています。

ここでは、牛肉に含まれるタンパク質、亜鉛、コエンザイムQ10、カルニチンをピックアップし、その働きや犬にどんな健康効果があるのかをお伝えします。

タンパク質

タンパク質は犬の筋肉や骨、血液、内臓、皮膚、被毛、免疫細胞、ホルモン、消化酵素など、あらゆるものを作るのに必要で、生命を維持するのに欠かせない栄養素です。

牛肉の部位の中では、特にモモ肉に多く含まれており、次いで肩ロースとなります。

牛肉のタンパク質がどのくらい多いのか、高タンパク質の肉として有名な、鶏ささみや鹿肉と比べてみましょう。

※生肉・各100g中

食品名(g)タンパク質
鶏ささみ24.6g
エゾ鹿(赤身)22.6g
牛肉モモ(赤身)21.3g
牛肉肩ロース(赤身)16.5g

 

鶏ささみや鹿肉には一歩及ばないものの、牛肉にもタンパク質が多いことがわかります。

また、タンパク質が体内に入るとアミノ酸に分解されますが、犬に必要な10種のアミノ酸(※)もしっかり含まれています。

(※)必須アミノ酸10種:イソロイシン、ロイシン、リシン(=リジン)、メチオニン、トリプトファン、フェニルアラニン、バリン、アルギニン、トレオニン(=スレオニン)、ヒスチジン

子犬の成長期には、成犬の約4倍量のタンパク質が必要とされています。高齢犬はタンパク質を控えたほうがよいのでは、と思うかもしれませんが、タンパク質量を減らすのはおすすめしません。

年齢を重ねていくと、タンパク質を体内で合成する能力が低下してくるためです。高齢犬に牛肉を食べさせるなら、脂分が少なくタンパク質が豊富な赤身肉がよいでしょう。

犬の年齢に関係なく、タンパク質が十分に摂れていないと、ビタミンやミネラルなどの働きが悪くなり、栄養不足や筋肉の衰えなど、諸々の病気を誘発しやすくなります。

亜鉛

亜鉛は、犬の皮膚や被毛を健康に保ち、ビタミンB群と共に働くことで肝臓機能を高める働きを持っているミネラルです。

牛肉の部位の中では、特に肩ロースに多く含まれています。脂身の多いバラ肉には約半分しかありません。

亜鉛が欠乏すると、発育不良や食欲不振、免疫低下、脱毛、皮膚疾患などを起こすことがあります。

肉球の硬さやフケの多さ、被毛のパサつきなど、皮膚疾患がある場合は、亜鉛不足かもしれません。

コエンザイムQ10

犬用のコエンザイムQ10サプリもあるほどで、強い抗酸化力を持つ補酵素の1つです。エネルギーを作るためにも欠かせません。

近年では、血管の若返りや白血球の機能をサポートする働きがあるとして、一層注目されています。

欠乏すると疲れやすくなったり、老化のスピードが速まったりします。ほかにも、歯周病や肥満を起こすと考えられています。

カルニチン

アミノ酸由来の物質であるカルニチンは、余分な脂肪を燃焼させる働きを持っています。カルニチンは複数あり、その1つがL-カルニチンです。

牛肉中のL-カルニチン量は、ラム肉に次いで多いのが特徴です。牛肉の赤身部分に多く含まれています。

犬が高齢になるほど合成量が減っていくため、食事から摂る必要があります。ただし、L-カルニチンは肝臓で代謝が行なわれるので、肝臓に病気を抱えている場合は控えましょう。

適度な散歩をさせているのに太りやすいワンちゃんは、カルニチンが欠乏しているかもしれません。

犬に牛肉を食べさせる際の注意点

生肉は気を付けて

野性で暮らしているころは生肉を食べていた犬ですが、やはりペットとして何十代も交配されていく間に、生肉に含まれる細菌(サルモネラ菌や腸管出血性大腸菌など)への免疫は低下しています。

日頃から生肉を食べているワンちゃん以外は、食中毒予防のため、加熱してから食べさせたほうが安全です。

脂身は少量で

少量の脂は健康な皮膚や被毛を維持するために欠かせませんが、牛肉の脂身をあえて多く食べさせる必要はありません。消化不良で吐くことがあります。

カルシウム不足に注意

牛肉に限らず、肉類はリンの量に対してのカルシウム量が少ないのが特徴です。

牛肉のリンはほかの肉類と比べて2割ほど低いのですが、肉だけを食べさせ続けると、カルシウム不足を起こしやすくなります。

野性動物として暮らしていたころの犬たちは、肉と骨の両方を食べてカルシウム不足を補っていたと考えられています。

カルシウムを含む大根葉や小松菜などの野菜、イワシなどの魚、木綿豆腐、犬用チーズ、犬用牛乳など、ほかの食材もバランスよく食べさせましょう。

誤飲に注意

牛肉はワンちゃんが食べやすい大きさに切り、喉を詰まらせないように注意してください。また、骨付きの牛肉は誤飲して窒息することがあるため、食べさせないほうがよいでしょう。

特に、キャンプなどで飼い主様の気が緩んで愛犬に食べさせたり、盗み食いしたりして誤飲するケースがあるので気を付けましょう。

アレルギーに注意

牛肉は比較的アレルギーを起こしやすい肉なので、アレルギー体質のワンちゃんは控えましょう。

また、牛肉を初めて食べさせる際は少量に留め、痒みや下痢などのアレルギー症状が出ないか様子を見てください。

牛肉の特徴をよく知って食事に活用しよう!

タンパク質やビタミン・ミネラルだけでなく、若さを保つコエンザイムQ10、脂肪を燃焼させるカルニチンなど、牛肉は犬の健康に役立つ栄養成分が豊富です。

手作り食では、牛肉だけを与え続けるのではなく、ほかの肉類や魚類とローテーションし、カルシウムが豊富な食材も加えるなど、まんべんなく栄養が摂れるようにしましょう。

また、上質なドッグフードはそれだけでバランスが取れているので、毎日牛肉をプラスするとカロリーオーバーやミネラルバランスを崩す可能性があります。

食事全体のバランスを考えて、適度に牛肉を活用しましょう!

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