犬にチンゲン菜を食べさせても大丈夫!
犬にチンゲンサイを食べさせても大丈夫です。チンゲン菜には、犬にとって中毒となる成分は入っていません。
今回は、チンゲン菜に含まれる栄養素やその働きを一緒に見ていきましょう。どんな点に注意して犬にチンゲン菜を食べさせればよいのかもお伝えします。
チンゲン菜の栄養と犬に期待できる健康効果
炎症を抑制する成分で健康をサポート
チンゲン菜は、ブロッコリーや小松菜、白菜などと同じくアブラナ科の野菜です。アブラナ科の野菜には、イソチオシアネートの元となり、抗炎症作用や抗がん作用を持つ“グルコシノレート”が含まれているため、「台所のドクター」とも呼ばれています。
愛犬には、できるだけ病気をせずに元気で過ごしてほしいですよね。病気は小さな炎症の持続から始まる、とも言われているので、チンゲン菜も犬の健康に役立てたい食材です。
β-カロテンで皮膚や粘膜の健康をサポート
チンゲン菜の色は薄いですが、β-カロテンを多く含んでいるため、緑黄色野菜に分類されています。β-カロテン含有量が高いニンジンと比べても約1/3、小松菜の約2/3の含有量です。
β-カロテンには、犬の皮膚や被毛の健康を維持し、粘膜や骨の成長をサポートする働きがあります。さらに、視神経の調整にも有益なビタミンです。
ビタミンCで免疫力アップ
チンゲン菜には、抗酸化力を持つビタミンCが含まれているのも特徴です。ビタミンCが多い小松菜やほうれん草と比べても、2/3程度入っています。
ビタミンCには免疫力を高める働きがあるので、外部からのウィルスや細菌から体を守るほか、皮膚病や自己免疫疾患、甲状腺機能低下症、がんなど、病気のリスクを下げてくれます。免疫力の高さは犬の長寿にもつながります。
運動量の多いワンちゃんやシニア犬、皮膚トラブルを抱えているワンちゃんは、体内で合成されるビタミンCでは足りないことがあるので、不足しないように気を付けましょう。
カリウムでむくみ予防
チンゲン菜には小松菜の約半分、ほうれん草の約1/3程度のカリウムが含まれています。
カリウムには、余分な塩分を排泄する働きや、細胞内液の浸透圧を調整してむくみを予防する働きがあります。筋肉や神経伝達にもかかわっています。
カルシウムで丈夫な体を維持
チンゲン菜に含まれるカルシウム量は小松菜の半分程度ではありますが、ニンジンの約3.5倍、ほうれん草の約2倍です。
カルシウムは、犬の骨や歯、神経、筋肉の正常な機能維持に役立つミネラルです。犬は人間よりもカルシウムの割合を必要とします。手作り食の場合は欠乏しやすいので、チンゲン菜で効果的にカルシウムを摂らせてあげましょう。
犬にチンゲン菜を食べさせる際の注意点
アブラナ科の野菜に多いシュウ酸の心配は?
ほうれん草にはアク成分のシュウ酸が含まれていますが、チンゲン菜には含まれていません。
チンゲン菜のゴイトロゲンに注意
チンゲン菜などに含まれるグルコシノレートを過剰に摂取すると、甲状腺ホルモンの合成を抑制するため、甲状腺機能低下症のリスクがあります。
健康なワンちゃんでもたくさん食べさせ過ぎることは避けましょう。甲状腺機能に病気があるワンちゃんには食べさせないほうが安全です。
チンゲン菜は茹でてから食べさせる
チンゲン菜を生のままスムージーなどに利用している飼い主様もいらっしゃるかもしれません。先述のグルコシノレートは、アブラナ科の野菜などに含まれる苦味成分で、健康に有益ですが、犬の場合は生のまま食べさせるのは避け、茹でたチンゲン菜を与えましょう。
5分ほど茹でて濃度を低減させてからのほうが苦味や胃腸への刺激が減るので、犬も食べやすくなります。成分が損失されるほど長時間茹でる必要はありません。
念のためアレルギーにも注意
チンゲン菜に限らずどんな食材でも、ワンちゃんによってはアレルギーを起こす可能性があります。初めて食べさせる際は少量に留めましょう。
また、当初はなんのアレルギー反応がなくても、しばらく食べさせ続けている間にアレルギーを発症することがあります。
もし、体を痒がる、下痢、嘔吐、目が充血するなどのアレルギー反応が出ていたら、チンゲン菜を食べさせたあとに起きていないかを確認してください。
野菜類に残留した農薬に反応して具合が悪くなることもあるので、流水で洗ってから調理してくださいね。犬に食べさせるのは外側の葉ではなく、内側のほうがよいでしょう。
愛犬ちゃんがずっと元気で暮らせるよう、チンゲン菜を時々食べさせてみてはいかがでしょうか。