犬にさくらんぼを食べさせても大丈夫だが種は絶対ダメ!
さくらんぼを飼い主様が美味しそうに食べていると、愛犬ちゃんがチラ見してほしそうにすることってありますよね。
さくらんぼは犬に食べさせても大丈夫な果物です。しかし、種には毒性があるので食べさせてはいけません。
「さくらんぼって犬に与えてもよいのかしら?」と今まで躊躇していた飼い主様も、次回入手した際は、種を除去したさくらんぼをおすそ分けしてあげましょう。
今回は、さくらんぼにはどんな栄養成分が含まれているのか、犬にさくらんぼを食べさせることで期待できる健康効果、注意点などについてお話しします。
さくらんぼに含まれる栄養成分と犬に期待できる健康効果
“赤いルビー”とも例えられるさくらんぼは、バラ科サクラ属の果実です。
たくさんの品種がありますが、有名なところでは「佐藤錦」や「豊錦」、「ナポレオン」などがあります。
さくらんぼは、ほかの果物と比べ、ビタミンやミネラル、食物繊維などがバランスよく含まれているのが特徴です。
といっても、成分の含有量そのものは決して多いというわけではありません。
さくらんぼの特徴的な栄養成分の働きや、犬に期待できる健康効果を見ていきましょう。
アントシアニンが視機能を改善する
さくらんぼには、ポリフェノールの1種のアントシアニンが含まれています。
アントシアニンは、視機能を改善する効果を持っているので、ヒトでは眼精疲労の低減に役立つことで知られています。
犬用のサプリでもアントシアニンが配合されたものがあるので、犬にも同様の効果が期待できます。
カリウムで筋肉や免疫機能を健全に保つ
さくらんぼのカリウム量は、野菜類と比べるとさほど多いわけではありませんが、果実類の中では比較的多いほうです。
カリウムが多いことで知られるバナナと比べると、約2/3程度の量が含まれています。
カリウムは、ナトリウム(塩分)のバランスを摂り、増え過ぎた分の排泄を担っているので、むくみ予防に役立ちます。
ほかにも、筋肉の機能調整や、免疫機能を健全に保つ働きを持っています。
良質なドッグフードを食べていれば欠乏することはありませんが、下痢が続いたり食事量が減少したりすると、低カリウム血症を起こすことがあります。
葉酸と鉄で貧血予防
さくらんぼには、ビタミンB群に属する葉酸が比較的多く含まれています。
葉酸の含有量が多いことで知られる、いちごやマンゴーと比べると約1/2程度ですが、果物の中ではかなり多い部類です。
ミネラルの鉄も含んでいるので、葉酸との相乗効果で貧血予防に役立ちます。
また、葉酸は胎児の正常な発育にもかかわっているため、懐妊後に食事量が減少した際は、欠乏しないように注意が必要です。
食物繊維とソルビトールの相乗効果で便秘解消
さくらんぼは、さほど多くはありませんが、食物繊維も含んでいます。
食物繊維には腸の蠕動運動をよくしたり、善玉菌のエサとして腸内環境を整えたりする働きがあります。
また、糖アルコールの「ソルビトール」という、腸壁を刺激して便通を促す成分も入っているので、相乗効果で犬の便秘解消が期待できます。
ビタミンACEで皮膚の健康をキープ
さくらんぼには、ビタミンエースと呼ばれる、ビタミンA、C、Eが含まれています。
ビタミンエースの働きは多岐に渡り、皮膚や粘膜の健康維持や、免疫力アップ、視力の維持など、犬の健康を力強くサポートします。
さらに、ビタミンエースの強い抗酸化力によって、老化予防やガン予防も期待されています。
犬にさくらんぼを食べさせる際の注意点
種は絶対に食べさせない!
さくらんぼの種には、毒性がある青酸配糖体の「アミグダリン」という物質が入っています。
さくらんぼの種を噛んでしまうと、摂取量によっては人間にも呼吸困難や意識障害などの危険がありますので、犬には絶対に種を噛ませないように注意してください。
丸飲みしてしまった場合はほとんど危険がないと言われていますが、心配なようでしたら獣医師に相談してください。
犬と一緒のさくらんぼ狩りは注意して!
さくらんぼ狩りに愛犬ちゃんと行くこともあるかと思いますが、盗み食いや拾い食いなどに注意が必要です。
実は、さくらんぼの葉や花にも、肝毒性のある「クマリン」という物質が含まれています。
食べさせる量にも注意して!
さくらんぼに含まれる「ソルビトール」は、摂取し過ぎると下痢しやすくなります。
犬が摂っても安全な量はわかりませんので、あくまでも1粒程度と少量を心がけてくださいね。
また、初めてさくらんぼを食べさせた際は、アレルギーや下痢症状などを起こさないか、愛犬ちゃんの様子をしっかり観察しておきましょう。
犬にさくらんぼを食べさせてもよいのか?まとめ
さくらんぼは、犬に食べさせても大丈夫な果物です。含まれている栄養成分の量は決して多くはないものの、貧血予防や便通改善など、様々な健康効果が期待できます。
さくらんぼの種には毒性がありますので、必ず種を除去してから安全に与えてくださいね。