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犬にきくらげを食べさせてもよいのか?

きくらげ

犬にきくらげを食べさせても大丈夫!

結論から先にお伝えしましょう!犬にきくらげを食べさせても大丈夫です。

黒くてプリプリ、コリコリした食感が特徴のきくらげは、その名前から海藻類と間違われることもあるようですが、しいたけやえのきなどと同じ“きのこ類”に属します。

天然に自生するきくらげは、ケヤキなど広葉樹の倒木の表面に生えています。きくらげは漢字で「木耳」と書きますが、その形はまさに木から耳が生えているかのようです。

一般的にきくらげというと黒いきくらげを指しますが、白いきくらげもあります。白きくらげは「銀耳」と書き、中国では不老長寿の食べ物として珍重されてきました。世界三大美人のひとりと呼ばれる楊貴妃も食べていたそうですから、どんな栄養が入っているのか気になりますね。

今回は、きくらげや白きくらげにはどんな栄養が含まれているのか、犬に食べさせるとどんな健康効果が期待できるのか、注意点も併せて紹介します。

きくらげの栄養と犬に期待できる健康効果

きくらげは低カロリーの食品なので栄養がないのでは?と思われがちですが、犬に必要な栄養素が含まれています。

きくらげの特徴的な栄養素として、ビタミンDや鉄、カルシウム、水に溶けにくい不溶性食物繊維が挙げられます。

白きくらげの特徴的な栄養素としては、カルシウムやビオチンが挙げられます。また、黒きくらげには含まれていない、水に溶けやすい水溶性食物繊維を含んでいます。

きくらげと白きくらげ、どちらの栄養が高い?

犬に食べさせる前に、きくらげと楊貴妃も食べていたという白きくらげの、どちらの栄養が高いのか知りたくないですか?できれば栄養のあるほうを食べさせてあげたいですよね。

そこで、両者の特徴的な栄養素の量を比較してみます。乾燥きくらげだと犬に食べさせる際の感覚が掴みにくいので、茹でて水分を含んだきくらげ100g中に含まれる数値をみてみましょう。

また、ほかの食品との違いをイメージしやすいように、「しいたけ(生・茹で)」と「きゅうり(生)」の栄養素量も記しておくので見比べてみてください。違いが明確なところには色を付けてあります。

栄養素単位きくらげ白きくらげしいたけきゅうり
ビタミンD(mg)8.81.20.50
(mg)0.70.20.30.3
カルシウム(mg)2527126
ビオチン(μg)1.34.401.4
水溶性食物繊維(g)01.20.20.2
不溶性食物繊維(g)5.25.24.20.9

 

比較してわかるのは、きくらげのビタミンDと鉄は、白きくらげよりもかなり含有量が高い、という点。白きくらげよりもかなり少ないのは、ビオチンと水溶性食物繊維です。

「きくらげと白きくらげのどちらの栄養が高いのか?」に対する結論は、「摂りたい栄養素に応じて選べばよい」、ということになります。

栄養素の働きや、犬にはどんな健康効果が期待できるのか見ていきましょう。

ビタミンD

きくらげ中のビタミンDは、白きくらげの7倍強、生しいたけの18倍弱です。ちなみに、ビタミンDが多いといわれる乾燥しいたけ(茹で100g)の含有量は1.1mgで、白きくらげと大差ありません。きくらげが、きのこ類の中でいかにビタミンDを多く含むのかがわかります。

犬の体にとってビタミンDは欠かせない栄養素です。カルシウムやリンの吸収にかかわり、歯や骨の健康維持や免疫力向上に役立ちます。幼犬のころだけでなく、成犬になっても体を維持するのに必要です。

実は、犬は人間と違ってビタミンDを体内で合成する機能が低いため、日々の食事から摂る必要があります。欠乏すると、クル病や筋肉の弱まり、関節炎などの症状を起こしやすくなります。

きくらげ中の鉄は、白きくらげの3.5倍です。白きくらげ中の鉄は、しいたけやきゅうりよりも少ないことがわかります。

鉄はよく知られている栄養素なので、飼い主様の多くがよくご存知だと思います。鉄は貧血予防に効果的なミネラルです。

また、赤血球を作るヘモグロビンやミオグロビンというタンパク質の生成や、生きるために欠かせない酸素を全身のすみずみに運びます。

ケガなどで大量に血液を失って貧血になるのは当然ですが、貧血の原因はいくつもあります。

・鉄が足りないことによる鉄欠乏性貧血
・白血病などの病気による貧血
・タマネギ中毒などによる溶血性貧血
・赤血球を作るためのホルモン減少による腎性貧血
・ノミやダニなどに吸血されて起きる慢性貧血 など

もし、愛犬ちゃんに食欲低下があり、散歩で極端に疲れやすいようなら、クチビルをめくって歯肉の色を確認してみてください。今までよりも白っぽく感じたら、獣医さんの診察を仰ぎましょう。

ビオチン

白きくらげには、きくらげよりも3倍強もビオチンが多く含まれています。ビオチンとは、ビタミンB7やビタミンHとも呼ばれるビタミンB群の1つです。

主に、皮膚や粘膜、爪、被毛の健康にかかわり、犬用のビオチン配合サプリメントもあります。

ビオチンは肌の水分量を保つセラミドの生成や、皮膚のバリア機能を高める働きがあることから、あの楊貴妃も若さ維持の目的で白きくらげを食べていたのかもしれませんね。

愛犬ちゃんの体内でビオチンが不足すると、フケが増えたりアトピー性皮膚炎になったり、脱毛につながることもあります。

しいたけはビオチンの含有量が「0」なので、愛犬ちゃんのお肌の健康を考えるなら、白きくらげを食べさせるのもよいですね。

食物繊維

食物繊維は腸内のゴミ掃除をしてくれるので、大腸ガンの予防や血液をキレイにする効果が期待されています。

きくらげに含まれる不溶性食物繊維は、腸内で水分を含んで大きく膨らみ、ウンチのカサを増して排便しやすくさせます。便秘予防や大腸ガン予防、肥満予防に効果的な成分です。

白きくらげに多く含まれる水溶性食物繊維には、コレステロールの吸収を抑制し、体外に排泄する働きがあります。

犬にきくらげを食べさせる際の注意点

水で戻してから少量を食べさせる

きくらげに毒性成分はありませんが、生のきくらげを犬に食べさせる際は、茹でるか炒めるなど加熱してからが安心です。

また、1年中手に入る乾燥きくらげは便利ですが、水で戻すとかなりの大きさになります。そのまま犬に食べさせると胃腸の中で膨張してしまうので、オモチャ代わりに与えるのは危険です。

乾燥きくらげは必ず水で戻したものを加熱し、細かくカットしてから少しだけ食べさせましょう。

きくらげはきのこ類の中でも食物繊維がとても多いので、健康効果を期待してたくさん食べさせると、下痢や嘔吐することがあるので注意してくださいね。

自生のきくらげには注意

山に遊びに行くと、きくらげに似たきのこが生えていることがあります。よほどきくらげに詳しい飼い主様は別ですが、愛犬ちゃんに食べさせるきくらげは安全面を考慮して、市販のものを使いましょう。

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