犬にかんぴょうを食べさせても大丈夫だが注意も必要
巻き寿司によく使われるかんぴょうですが、犬に食べさせてもよいのでしょうか?
結論からお伝えすると、犬にかんぴょうを食べさせても大丈夫ですが、積極的に食べさせる必要がない食品とも言えます。また、注意すべき点もいくつかあります。
ところで、私たちが購入するかんぴょうの多くは、すでに乾燥した状態になっていますが、かんぴょうがなにからできているかご存知でしょうか?
かんぴょうは、ウリ科の植物「夕顔」の実が原料です。緑色の外皮を除去してから薄く長く剥き、干して乾燥したものがかんぴょうです。
今回は、かんぴょうに含まれる栄養成分の働きや、犬にはどのような健康効果が期待できるのか、どのような点に気を付けるべきなのか、についてお話しします。
かんぴょうの栄養と犬に期待できる健康効果
かんぴょうは、きゅうりやスイカなどと同じウリ科の野菜で、夏に収穫されます。かんぴょうの特徴的な栄養素として、食物繊維が挙げられます。ほかにも、カリウムなどのミネラルも含んでいます。
それぞれの栄養素の働きや、犬に期待できる健康効果を見ていきましょう。
かんぴょうには食物繊維が多い
かんぴょうは食物繊維が多いのが特徴です。乾燥かんぴょう100gには、約30gもの食物繊維が含まれています。ただ、犬に食べさせる際は100gも使うことはできません。
乾燥かんぴょうを水で戻すと約5倍の重量になりますが、ここでは「巻き寿司に使う1本分=乾燥かんぴょう5g」を1つの目安にしてお話ししていきます。
乾燥かんぴょう約5gを水で戻したかんぴょう1本分には、約1.5gの食物繊維が含まれています。
数字だけ見るとほんの少量に感じますが、これが結構多いのです。食物繊維が多い野菜のさつまいもの約7倍、キャベツの約15倍です。
犬の便秘解消に効果的として知られる食物繊維ですが、ほかにも、血糖値が高まるスピードを緩やかにする働きがあるため、犬の糖尿病対策や予防になります。
また、腸壁に付着して取れにくくなった老廃物を掻き出すので、血液をキレイにしたり重金属を排泄したりする働きがあります。
かんぴょうに含まれるカリウムの働き
乾燥かんぴょう約5gを水で戻したかんぴょう1本分には、、きゅうりの9倍量、90mgのカリウムが含まれています。
カリウムが多い食品の、ひきわり納豆の約1/2、果物で多い部類のバナナとは同じ程度の含有量です。
実際は、水で戻したかんぴょうを茹でてから犬に食べさせるので、茹で汁にカリウムが溶け出し、25mg程度に減少します。これはりんごと同じ程度のカリウム量です。
カリウムには、余分な塩分を排出したり、腎臓の老廃物を排出するのを手伝ったりする働きがあります。また、心臓の筋肉を正常に働かせる役割も持っています。
犬にかんぴょうを食べさせる際の注意点
食物繊維の強さに注意
ワンちゃんの体質によっては、不溶性食物繊維の刺激が強すぎて下痢することがあるので、少量食べさせてみて便の状態を確認しましょう。
かんぴょうは、きちんと茹でて食物繊維を柔らかくしてから食べさせます。長いままだと喉に詰まらせる可能性があるので、みじん切りにしてください。また、砂糖や醤油などで味付けしたかんぴょうは犬に食べさせないようにしましょう。
カリウムの摂取量に注意
かんぴょうに含まれるカリウムは茹で汁にも溶け出しています。腎臓病でカリウムの補給が必要な場合は、獣医師に現在の食事内容などを相談した上で、かんぴょうや茹で汁を食べさせても大丈夫か確認してください。
補給とは反対に、カリウムを過剰摂取して起きる高カリウム血症のリスクを避けるためには、茹で汁を捨てたほうが安心です。
食用ではない「ひょうたん」は絶対に食べさせない
かんぴょうの原料の夕顔と間違えて、同じウリ科の「ひょうたん」を食べると、嘔吐や下痢などの食中毒を起こします。
過去に、ひょうたんの苗に「食用」と誤表示されて販売されていたことがありましたので、人からいただいたり栽培したりする際には注意してください。
かんぴょうには毒素があるわけではないので、まれに少量を食べさせる程度なら問題はありませんが、バランスが摂れたドッグフードを食べているワンちゃんには、わざわざ食べさせなくてもよいでしょう。