犬にドリアンを食べさせても大丈夫だが…
強烈なニオイを持ちながらも「果物の王様」と呼ばれるドリアンですが、積極的にドリアンを食べる飼い主様は少ないのでは?
しかし、国内で開催される海外フードイベントなどで、ドリアンを試食する機会があるかもしれませんね。
横にいる愛犬ちゃんがドリアンをほしそうにしていたら、食べさせてもよいのか迷うところです。
結論からお伝えすると、犬にドリアンを食べさせても大丈夫ですが、あまりにもニオイが強いので、わざわざ食べさせる必要がない果物かと思います。
今回は、ドリアンにはどんな栄養が含まれているのか、もし犬にドリアンを食べさせるならどんなことに注意すればよいのかをお伝えします。
悪魔の果物の異名を持つドリアンのニオイの元はなに?
ご存知のとおり、ドリアンは「悪魔の果物」とか「禁断の果物」、「世界一臭い果物」と呼ばれることもあります。
生ごみが腐敗したようなニオイ、腐った玉ねぎのニオイなどと例えられる、ドリアンのニオイ成分について解説します。
ドリアンのニオイはオナラのニオイ
ドリアンはあまにりも強烈なニオイを発するため、飛行機内への持ち込み禁止や、屋外で食べることを禁止する国もあるほどです。
ドリアンのニオイの正体は、なんと、私たち人間のオナラ成分と同じ「インドール」や「スカトール」。
このニオイに魅せられて、ドリアン好きになる人もいるそうですから、好みは千差万別なのですね。
人間の100万倍もの嗅覚を持っている犬ですから、飼い主様以上にオナラ臭さを感じるかもしれません。
人間同様に「臭くてムリ~」と、手で鼻を抑えてしまうワンコがいる一方で、なかには大喜びでバクバク食べるワンコもいるようです。
ドリアンって栄養はあるの?
ニオイだけで毛嫌いされてしまうドリアンですが、実は、栄養価が高い果物なのです。
抗酸化作用を持つビタミンを含む
ドリアンには、ビタミンCやビタミンEといった抗酸化作用を持つ栄養素が豊富に含まれています。
抗酸化作用とは、体内で過剰に発生した活性酸素を除去する働きのことをいいます。
リンゴで例えるなら、皮を剥いたあと、空気に触れ続けていると酸化してきますよね。
こうした酸化を抑制する、サビ止めのような働きが抗酸化作用です。
抗酸化作用を持つ食品を摂ることで、細胞膜を酸化によるダメージから守ることができます。
犬が激しい運動をしたあとは酸化ダメージを受けやすくなっていますが、抗酸化作用により筋肉の損傷を軽減できる、という報告もされています。
ビタミンCやビタミンEの働きは、老化やガン予防にも役立つといわれているので、愛犬ちゃんが好むようなら食べさせても構いません。
ドリアンは脂質を豊富に含む
ドリアンには脂質が多く含まれているのも特徴です。
例えば、血液をサラサラにしてくれるEPAやDHAなどの「多価不飽和脂肪酸」が豊富に含まれています。
生の果物の含有量で比較すると、ドリアンの脂質量は1位のアボカドに次いで2番目です。
一方で、バターやラードなどに含まれることで知られる「飽和脂肪酸」もアボカドに次いで多く入っているので、摂り過ぎればコレステロールや中性脂肪が増えてしまいます。
ドリアンに含まれるそのほかの栄養素
ドリアンは栄養価が高い果物なので、マグネシウムやリン、銅などのミネラル類、葉酸やビタミンB1、ナイアシンといったビタミン類が、ほかの果物よりも豊富に含まれています。
なかでも、疲労回復によいといわれるビタミンB1の含有量は、果物ではもっとも多いのが特徴です。
犬にドリアンを食べさせる際の注意点
自宅でドリアンを食べさせる際は皮や種に注意
ドリアンの見た目からもわかるとおり、皮はトゲ状になっています。
うっかり犬がドリアンに鼻先を近づけたり、嫌がって手でドリアンを触ったりすれば、ケガしてしまうかもしれません。
また、ドリアンの産地の人は大きな種を焼いて食べることもあるようですが、犬には種を食べさせないほうがよいでしょう。
自宅でドリアンをカットして犬に与える場合は、果肉部のみにしてください。
ドリアンの食べ過ぎには注意
どんな果物でもそうですが、ドッグフード以外の食品を食べ過ぎればそれだけで満腹になってしまったり、お腹の調子が悪くなったりします。
特に、ドリアンは脂質を多く含むので、食べ過ぎによる肥満や血液の汚れも心配です。
ドリアンが大好きな犬は何口でも食べてしまうようですが、食べ慣れていない愛犬ちゃんも含め、食べさせる量はひと口程度に留めておきましょう。
犬にもドリアンを食べさせてよいのか?まとめ
強烈なニオイを放つドリアンですが、意外にも犬の健康に役立つ栄養素が入っていることがわかりました。
しかし、ニオイの元はオナラと同じ成分なので、しかめっ面をしたり手で鼻を隠したりして嫌がるワンちゃんのほうが多いようです。
また、ドリアンには脂質が多いので、愛犬ちゃんがドリアン好きだったとしても、少量食べさせる程度に留めましょう。