犬に枝豆を食べさせても大丈夫
夏に旬を迎える枝豆ですが、今では高い冷凍技術のおかげで、一年中美味しく食べられるようになりましたね。
さて、枝豆が未成熟な大豆だとご存知の飼い主様は、犬に食べさせてもよいものか悩んでいらっしゃることでしょう。
結論から先にお伝えすると、犬に枝豆を食べさせても大丈夫です。ただし、晩酌のあてとして作った枝豆を、「ほら、一緒に食べるか?美味しいぞ!」なんて愛犬ちゃんに食べさせるのはNG。
今回は、枝豆にはどんな栄養や健康効果があるのか、犬に枝豆を食べさせる際はどんな点に注意すればよいのかを紹介します。
枝豆の栄養が犬にもたらす健康効果
枝豆は、豆でありながらも緑黄色野菜の1つでもあります。大豆の未熟豆ですから、カロリーや全般的な栄養素は半分以下程度です。
犬が枝豆を食べることで、タンパク質やビタミン、ミネラル、食物繊維などを摂ることができます。
実は、枝豆には大豆に勝っている栄養素もいくつかあります。例えばビタミンC。なんと大豆の約9倍も含んでいるのです。葉酸も大豆より若干多く、約1.2倍。
さらに、緑黄色野菜らしく、大豆には含まれていないβカロテンも枝豆は含んでいるのです。ほかにも、カリウムやカルシウム、鉄分、アミノ酸の1種メチオニンなどが含まれています。
ここでは、ビタミンCとカリウム、メチオニンについての特徴と、どんな健康効果が期待できるのかを紹介します。
ビタミンCで老化予防
ビタミンCには抗酸化力があります。細胞のサビを防いで免疫力を上げることで、老化のスピードを緩やかにする効果が期待できます。
犬は肝臓でビタミンCを合成できますが、シニアになってくると必要量を合成できないことも。
また、活発に動くのが大好きなワンちゃんや、皮膚トラブルのあるワンちゃんも欠乏しがちですので、意識しておきたいビタミンの1つです。
カリウムで余分な塩分を排泄
カリウムは、体内の余分な塩分を排泄するために欠かせないミネラルで、利用作用があるためオシッコの量が増えることがあります。
また、長時間の散歩や激しい運動をした際の、筋肉痙攣を予防するのに役立ちます。
食事量が足りていればめったに欠乏しませんが、下痢が続いたり食事量が十分でないときはカリウム不足になることがあります。
犬は飼い主様が思う以上に、ある年齢から急速に老いが加速します。これまでと同じ運動量なのに疲れている様子があれば、運動量の見直しと同時に、カリウム不足による筋力低下や、腎臓、心臓などに不調が起きていないかを診察してもらいましょう。
腎臓病などの病気でカリウム補給をしているワンちゃんには、枝豆を食べさせないことをおすすめします。
メチオニンでツヤツヤの被毛維持
枝豆のタンパク質に含まれるメチオニンは、犬の必須アミノ酸10種(※)の1つで、犬の被毛の健康に欠かせません。また、アレルギーを緩和し、肝機能を向上させます。
人間では、脂肪燃焼効果があるとして注目を浴びているので、そのうちには犬のダイエットにもよい成分だ、となるかもしれませんね。
メチオニンが十分に摂れていないと、被毛のツヤがなくなりパサパサしてきます。また、脱毛や被毛の成長が遅くなることがあります。
(※)必須アミノ酸10種:イソロイシン、ロイシン、リシン(=リジン)、メチオニン、トリプトファン、フェニルアラニン、バリン、アルギニン、トレオニン(=スレオニン)、ヒスチジン
犬に枝豆を食べさせる際の注意点
枝豆は必ず加熱する
枝豆を生のまま犬に食べさせると、消化不良や下痢を起こしてしまいます。加熱する必要がありますが、茹でるとビタミンCの約半分近くが失われてしまいます。
枝豆のビタミンCを効果的にワンちゃんに摂らせるなら、蒸すのがおすすめです。味も栄養も凝縮して、より美味しさが増します。
塩は不要
犬も多少の塩分(ナトリウム)が必要ですが、ドッグフードを食べている場合はすでに入っていますので、蒸す際の塩は不要です。
丸飲みしないよう、フォークなどで細かく押し潰すかペースト状にしておきましょう。飼い主様用の枝豆は、蒸したあとに塩を軽く振っておけば美味しくいただけます。
大豆アレルギーに注意
枝豆は大豆なので、大豆アレルギーがあるワンちゃんは食べてはいけません。また、比較的アレルギー源になりやすい食品でもあります。
初めて食べさせる際は、潰した枝豆をほんのひとかけらだけ食べさせて、アレルギー反応が起きないか確認してください。
最初はアレルギーが出なかったワンちゃんでも、何度か食べているうちに痒みや目の充血などの症状を起こすことがあれば、動物病院で検査してもらいましょう。
犬に枝豆を食べさせることはできますが、あまり消化がよくない食品なので、少量をたまに食べさせる程度にしてくださいね。