犬にしょうがを食べさせても大丈夫だが条件付き
薬味として活躍するしょうがですが、犬に食べさせても大丈夫です。ニラやねぎなどのネギ属ではなくショウガ属だから、というのがその理由。ただし、刺激が強いので少量に留める条件付きです。
今回は、再びブームが来ているしょうがについての豆知識や、しょうがにはどんな栄養成分が含まれているのか、犬に食べさせるとどんな健康効果が期待できるのかについてお話しします。飼い主様も愛犬ちゃんと一緒にしょうがの恩恵にあずかりましょう!
しょうがは縄文時代から食べられていた?
しょうがの原産地は、熱帯アジアともインドとも言われています。日本には、縄文時代に大陸から入って来たのではないかと推測されていますが、平安初期の文献には、すでにしょうがのことが書かれています。
しょうがは薬味として頻繁に使われますが、古来中国では生薬として栽培されていました。現在はアジア圏だけでなく、世界各地でしょうがは栽培されていて、香辛料や飲料、お菓子の原料にも用いられています。
栄養的には、ビタミン類が少量入っている程度なので、薬効を期待して食べられてきた食品です。
しょうがの栄養と犬に期待できる健康効果
生しょうがのジンゲロールでガン予防
生のしょうがには、特有の辛み成分“ジンゲロール”が含まれています。ジンゲロールはガン細胞の増殖を抑える働きがあるので、ガン予防の効果が期待されている成分です。また、殺菌作用も持っているので、口腔内を清潔に保つのに役立ちます。
乾燥や加熱で変化したショウガオールでポカポカ効果
しょうがに含まれるジンゲロールは、加熱や乾燥によって“ショウガオール”に変化します。ショウガオールは、血行促進作用や新陳代謝をサポートする働きがあるため、体がポカポカ温まり冷え性改善に有益です。
ジンゲロールは約80度程度の加熱によってショウガオールに変化するので、すりおろした生しょうがに、沸騰してから少し冷めたお湯をかけるだけでもOKです。
しょうがは食欲増進や夏バテ解消にも
しょうがには、“シネオール”や“ジンギベレン”など、200種類以上もの香り成分が含まれています。食欲増進作用やリラックス効果があり、疲労回復をサポートするので、犬の食欲不振や夏バテ解消にも役立ちます。また、神経痛や咳を緩和する効果もあります。
ほかにも、“ジンベイン”という、タンパク質の消化吸収を強力にサポートする、タンパク分解酵素が入っています。胃腸が疲れやすい夏場には、いつもの食事にひとつまみのしょうがをプラスしてもよいですね。
犬にしょうがを食べさせる際の注意点
しょうがは少量が鉄則
人間でも、しょうがを食べ過ぎると胃腸が刺激されますよね。犬にしょうがを食べさせ過ぎると、下痢や嘔吐する可能性があるので、ひとつまみ程度に留めましょう。水やお湯で薄めたものを食べさせたほうが安心です。
チューブタイプのしょうがは食べさせない
チューブタイプのしょうがは便利ですが、しょうが以外の添加物などが入っていることが多いもの。犬には生のしょうがや、加熱乾燥された粉末状のしょうがを活用しましょう。
紅ショウガやガリは食べさせない
紅ショウガやガリは塩分や砂糖、酢、保存料、着色料など色々添加されています。いくらしょうがが身体によいと言っても、塩分や添加物の摂り過ぎは犬の健康を害する要因になるので、食べさせないでくださいね。
念のため慣れさせてから
犬がしょうがを食べても中毒を起こすことはありませんが、犬によってはなんらかのアレルギーを起こす可能性もあります。さらに、嗅覚が鋭い犬ですから、いつもと違うニオイに警戒するかもしれません。初めて食べさせる際は、つまようじの先に乗る程度から始めて、アレルギー反応が出ないか、食べるかどうかを確認しましょう。
しょうがは、飼い主様と愛犬ちゃんの健康を強力にサポートする食材です。寒い季節の散歩も苦にならなくなりますよ。しょうがを上手に活用して、毎日を元気に過ごしましょう!