犬にブドウを食べさせてはいけない!
犬になにげなくブドウを食べさせていませんか?生のブドウだけでなくレーズン(干しブドウ)も含め、犬に食べさせると体に悪影響を与え、最悪死亡することがあるので、絶対に食べさせないでください。
実は、ブドウのどんな成分が犬の体によくないのか、具体的な成分は特定されていません。
しかし、犬がブドウを食べたあとに急性腎不全に陥り死んでしまった、という症例が世界的に多く報告されているのです。
今回は、犬がブドウを食べる危険性や中毒症状、万が一食べてしまった場合の対処法、ブドウの誤食を防ぐために注意するポイントについてお伝えします。
犬がブドウを食べると最悪死に至る可能性が!
犬にブドウを食べさせてはいけないことは十数年前から言われ始めたことなので、まだ知らない飼い主様もいらっしゃるかもしれません。
犬にブドウやレーズンを食べさせると急性腎不全を発症し、最悪死に至る可能性があります。
2001年、アメリカで犬がブドウやレーズンを食べたあとに急性腎不全を起こしたという10例(死亡含む)が紹介されたことをきっかけに、イギリスでも同じ症状を発症した4例が報告されました。
2005年にはアメリカの同じグループから43例の発症例が発表され、日本でもマルチーズが、種なしブドウ(デラウェア)約70gを皮ごと食べたあと、4日後に急性腎不全で死亡した例があります。
犬がどのくらいブドウを食べてしまったら中毒を起こす
体重1Kgあたり、ブドウ20~30g程度、レーズンなら11~30gを犬が摂取すると危険、という数値がありますが、それ以内なら大丈夫ということではありません。
犬がどのくらいブドウを食べてしまったら中毒を起こすのかは、体重だけでなく個体によっても違ってくるからです。
過去の症例では、体重1Kgに対してブドウ20gを食べて中毒症状を起こしたケースがある一方で、それを超えた量を食べても発症しない例もありました。
デラウェアであれば、約30粒ほどで20g、巨峰なら大1粒で20gです。
先述のマルチーズは体重2.5kgで、70gのデラウェア(中1/2房)を食べて亡くなってしまいました。
ほんの1粒ならブドウを食べさせても大丈夫、という判断はとても危険です。
たとえ、過去にブドウを食べて何ともなかったワンちゃんでも、加齢や体調の変化でブドウ中毒を起こしかねません。
どのくらいまでならブドウを食べさせてもよいかと考えずに、1粒も食べさせてはいけないと考えましょう。
犬がブドウを食べてしまったあとに起こる中毒症状
犬がブドウを食べてしまうと、様々な中毒症状を起こします。
ブドウを食べてから約2~5時間程度で嘔吐や下痢が始まり、食欲を失いグッタリとして元気がなくなってしまいます。
中毒レベルが重くなると尿が完全に出なくなり急性腎不全を起こします。こうした症状が看られるケースでは多くが死亡しています。
犬がブドウを食べてしまった際の対処法
万が一、犬がブドウを食べてしまったら、毒素が吸収される前に嘔吐させる必要があります。
しかし、すでに嘔吐している場合でも、それ以上吐かせようとせず、すぐに獣医に診てもらってください。
動物病院では胃洗浄や腎機能を維持するための投薬や透析を行い、ブドウの毒素が体内に留まらないよう対処します。
犬がブドウを誤食しないために
犬が誤ってブドウを食べてしまわないような環境を意識しておきましょう。
盗み食い防止
犬はブドウの甘さにつられてしまいます。まずは犬が探せるような場所にブドウを置かないことが大切です。
レーズンパンも危険ですので、盗み食いできない場所に置いておきましょう。
家族全員で情報を共有する
大切な愛犬の命を守るためには、家族全員が同じ認識を持つことも必要です。
ブドウは急性腎不全で命を落とすことがある果物だということを共有しておきましょう。
ブドウ狩りには連れて行かない
飼い主様の目の届かない所で、ブドウを拾い食いしてしまう可能性を考えれば、ブドウ狩りにワンちゃんを連れて行かないようにしましょう。
キャンプ時にも注意!
キャンプに愛犬を連れて行った際は、ローテーブルの上や犬の届く範囲にブドウやブドウジュースなどを置かないようにして誤食を防ぎましょう。
犬がブドウのどんな成分に反応して中毒症状を起こすのか未解明ではありますが、実際に亡くなっている犬たちがいる以上、絶対にブドウを食べさせないでくださいね。