犬にウーロン茶を飲ませるのはNG!
健康維持やダイエットにも役立つといわれるウーロン茶ですが、「うちの犬も私と一緒に飲んでいます!」という飼い主様はいませんか?
犬にウーロン茶を飲ませるのはNGです。
人間にはよい影響が期待されるウーロン茶ですが、犬が飲むと健康を害することがあります。
実は、ウーロン茶には興奮作用を持つカフェインが含まれているため、犬が飲むと健康被害をこうむるだけでなく、場合によってはカフェイン中毒で命を落とす危険さえあるのです。
今回は、ウーロン茶の特徴や、犬が飲んだ際のリスクなどについてお話しします。
ウーロン茶はなにから作られる?
ウーロン茶は、緑茶や紅茶などと同じ「カメリアシネンシス」という樹の生葉を原料とする飲み物です。
茶葉の発酵度合いの違いによって、同じ原料でも色や味が違うお茶が生まれます。
発酵度合いが浅ければ緑茶のような緑色になり、さらに発酵させるとウーロン茶の色になります。
紅茶はさらに発酵を高めて完全発酵させているため、より色合いが強くなっているのです。
犬にはウーロン茶のカフェインが危険!
茶葉の発酵の度合いによって色や味が異なるお茶になることがわかったところで、なぜ犬にウーロン茶を飲ませてはいけないのかについて解説します。
ウーロン茶のカフェインで中毒を起こす可能性も!
犬がウーロン茶を飲んでしまうと、含有されるカフェインにより中毒を起こす危険性があることを知っておきましょう。
カフェインは、コーヒーやお茶などに代表される食品に含まれる、天然の成分です。
しかし、犬がカフェインを摂取すると、次のようなカフェイン中毒を起こすリスクがあります。
【犬のカフェイン中毒の症状】
・1~2時間後に落ち着かない行動の出現
・呼吸の乱れ
・興奮
・嘔吐
・下痢
・尿失禁
・ふらつき
・けいれん
・筋硬直
こうしたカフェイン中毒を知るだけでも怖いですが、最悪の場合は呼吸不全を起こして死んでしまう可能性があることを知っておきましょう。
犬がウーロン茶をどのくらい飲んだら危険?
犬の体重1kgに対して、カフェインを100~200mg摂取すると危険が生じると考えられています。
また、個体差があるため、体重1kgに対して、カフェイン20mgまたはそれ以下の摂取量だったとしても、中毒症状を起こすことがあります。
体重3kgの愛犬ちゃんなら、カフェイン60mg以下の摂取でもリスクが生じることになりますね。
では、ウーロン茶にはどのくらいのカフェイン量が含まれているのでしょうか?
内閣府の食品安全委員会が公開する、飲料中のカフェイン量の情報を、含有量が多い順に記載します。
【飲料中のカフェイン量/100ml中】
玉露160mg>コーヒー60mg>紅茶30mg>煎茶・ウーロン茶20mg
ウーロン茶100mlには、玉露の1/8、コーヒーの1/3ほどのカテキンが含まれていることがわかります。
先にお伝えしたように、犬の体重1kgに対して20mg以下のカフェインを摂取した場合でも中毒を起こすことがあります。
体重3kgの愛犬ちゃんなら、60mg以下のカフェイン摂取でも中毒のリスクが伴う計算です。
あくまでも計算上ですが、体重3kgの愛犬ちゃんが、ウーロン茶をコップ1杯半(300ml)飲んだだけでもリスクがある、といえるでしょう。
犬にはウーロン茶のシュウ酸も気をつけたい!
ウーロン茶には、玉露を含む緑茶や紅茶と同様に、尿路結石症の一因ともなる「シュウ酸」が多く含まれています。
体内に吸収されたシュウ酸とカルシウムが結合して、シュウ酸カルシウム結石という病気になるので、シュウ酸は犬にたくさん摂らせたくない成分です。
もちろん、シュウ酸の過剰摂取以外にも、飲み水が少なかったり、ビタミン・ミネラルの欠乏、老化、ストレスがかかったりすることも要因となります。
人間でも、シュウ酸を含む茶飲料の摂取により尿中のシュウ酸塩濃度が上がることがわかっています。
たとえ少量のウーロン茶でも、犬に飲ませ続けることで結石のリスクが生じるため、決して飲ませないでくださいね。
犬にウーロン茶のカテキンを活用してもよい?
ウーロン茶にはカテキンというポリフェノールの1種が含まれているので、「緑茶と同様に歯磨きなどに活用したい」と考える飼い主様もいらっしゃるかもしれませんね。
人間にとっては、コレステロール値を下げる作用や抗酸化作用、抗がん作用、虫歯・口臭予防、肥満予防などよい働きがたくさんあります。
しかし、犬にウーロン茶を飲ませること自体リスクを伴うので、歯磨き用に活用することはおすすめしません。
半発酵茶のウーロン茶ですが、発酵の度合いが進むにつれてカテキンの量はどんどん増えていくため、緑茶よりもカテキン含有量が多いのです。
【カテキン含有量】
緑茶<ウーロン茶<紅茶
犬は人間のようにうがいすることができないため、毎日少しずつ摂取することでカフェイン中毒になる可能性や、なんらかの悪影響があるかもしれません。
犬の歯磨きなどにウーロン茶を用いるのはやめておきましょう。
犬にウーロン茶を飲ませてもよいのか?まとめ
ウーロン茶には、玉露やコーヒーほど多くありませんが、興奮作用を持つカフェインが含まれています。
犬が少量のカフェインを摂るだけでもカフェイン中毒のリスクがあるため、犬にはウーロン茶を飲ませてはいけません。
また、結石の一因ともなるシュウ酸も含まれているので、犬の飲み水としてウーロン茶は不向きです。
飼い主様がウーロン茶を飲んでいるときに愛犬ちゃんがおねだりしたとしても、決して与えないでくださいね。