犬に桃を食べさせても大丈夫
「甘くてジューシーな桃を、愛犬にも食べさせてあげたい!」と思う飼い主様も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、犬に桃を食べさせても大丈夫です。
もちろん、食べさせ過ぎはよくないですが、適量をたまにおすそ分けする程度ならOK。
ただし、完熟した桃であることが条件です。
今回は、犬に桃を食べさせることで期待できる健康効果や、食べさせる際の注意点についてお話しします。
桃に含まれる栄養成分と犬に期待できる健康効果
桃にはビタミンやミネラルが含まれていますが、なかでも食物繊維やカリウム、クエン酸を含むのが特徴です。
食物繊維でお腹の調子を整える
桃には、水溶性と不溶性の食物繊維が約半分ずつ含まれています。
いかにも食物繊維が多そうなバナナは100g当たり1.1gですが、桃は1.3g含むので比較的多い部類といえるでしょう。
水溶性食物繊維は水に溶けやすく犬の腸内でゼリー状になるため、ツルンと排便させやすくします。
ヒトでは、食後の血糖値の上昇を抑制したり、コレステロールを体外に排出したりと、生活習慣病の予防に有益です。
不溶性食物繊維は水に溶けにくく、犬の腸内で水分を含んで便のカサを増してくれます。
そのことにより、大腸が刺激されて排便しやすくなると考えられています。
また、どちらの食物繊維も腸内細菌のエサとなるため、腸内環境を整えるのに役立ちます。
カリウムでむくみ予防
桃にはカリウムが含まれていますが、バナナのように多く含むわけではありません。
カリウムは、ナトリウムと拮抗して働き、体内で過剰となったナトリウムを体外に排泄する働きを持っています。
そのため、高血圧のリスク軽減やむくみの予防・改善が期待できます。
また、筋肉の収縮やエネルギー代謝、心機能にもかかわっている、重要なミネラルです。
食事量が十分でない場合や嘔吐、下痢が続くと、多量のカリウムが排出されてしまい、脱力感や筋力低下などを起こすことがあります。
クエン酸で疲労回復
桃には、疲労回復や夏バテの予防によいことで知られる成分のクエン酸が含まれています。
クエン酸は、疲労につながる乳酸の生成を抑制するため、夏場の疲れ対策として少量の桃を食べさせてもよいでしょう。
柑橘類や梅干などの酸味成分をイメージするとわかりやすいと思いますが、クエン酸を大量に摂取すると胃を荒らすことがあるので気を付けてください。
犬に桃を食べさせる際の注意点
犬には完熟の桃を食べさせる
未成熟の桃の果肉部と種の中には、毒性を持つアミグダリンが含まれています。
中毒を起こさないよう、犬に桃を食べさせる際は完熟しているかを確認してください。
また、アミダグリンをより多く含む種を飲み込んでしまうと、喉を傷付けたり腸管に詰まったりすることがあります。
さらに、桃の種を噛ませるのは危険なので、絶対にオモチャとして与えないでください。
基本的にスーパーで販売されている桃は完熟していますが、桃狩りに犬を連れて行った場合は、落ちている未完熟桃や種を盗み食いしないよう、細心の注意が必要です。
危険のリスクがある以上、愛犬ちゃんを連れての桃狩りは控えたほうが安心です。
体格に応じて少量を心がける
桃は甘くて食べやすいことから、大好きになるワンちゃんも多いようです。
中ぐらいの大きさの桃、約1/2個分(約100g)のカロリーは40kcalで、やや大きめのバナナ1本(約100g)の約半分と低いものの、体格によってはお腹がいっぱいになってしまうことも。
小型犬なら桃のスライスを2~3切れ程度(約30~40g)、中型犬なら桃1/2個以下を上限の目安にするとよいでしょう。
また、桃の糖分を毎日のように摂取していれば肥満の要因になりかねないですし、食物繊維を摂りすぎれば軟便になることもあります。
愛犬ちゃんに桃をおすそ分けする際は、食事や健康に影響を及ぼさない程度に留めましょう。
桃アレルギーに注意
アレルギー体質の犬や「ハンノキ」にアレルギーがある犬は、桃にもアレルギー反応を起こすことがあるので食べさせないほうが安全です。
ヒトでも桃にアレルギー反応を示すことがあるぐらいなので、初めて愛犬ちゃんに食べさせる際は必ず様子をみてください。
桃の加工品は基本的に犬には食べさせない
桃100%ジュースやジャム、缶詰などの加工品は1年中手に入りますが、基本的に犬には食べさせないほうがよいでしょう。
特に濃縮されたジュースは、少量でも桃の成分が凝縮しているので、犬には多すぎる可能性があります。
また、ジャムや缶詰などは糖分が添加されていることが多いので、決して食べさせないでくださいね。
犬に桃を食べさせてもよいのか?まとめ
完熟した桃をひと口程度犬に食べさせる分においては問題ありません。
夏場の水分補給と同時に、食物繊維やカリウム、クエン酸などを補給することができます。
しかし、未完熟の桃や種には毒性成分のアミダグリンが含まれているため、盗み食いされないように気を付けてくださいね。