犬にすももや種を食べさせてはいけない!
犬がすももを食べると中毒などの危険性を伴うため、食べさせないでください。
また、犬にすももの種をかじらせることは命の危険が伴うので、絶対に与えてはいけません。
今回は、すももがなぜ犬にとって危険なのか、万が一食べてしまうとどんな症状を起こすのか、対処法も併せてお話します。
犬がすももを食べるとどんな危険性があるの?
犬がすももや種を食べると、急性中毒を起こすことがあります。
特に、未完熟のすももや種を犬に与えるのは危険です。
犬にとって毒となる物質:アミダグリン、シアン化水素
危険な量:不明
すももには毒となる物質が入っている!
まずは、すももについて少し知識を得ておきましょう。
日本で販売されているすももの品種は多数ありますが、「日本すもも(プラム)」と「西洋すもも(プルーン)」に大別することができます。
バラ科サクラ属に分類されるすももは、英語でプラム、フランス語ではプルーンと呼ばれます。
日本で広く栽培される「大石早生」や皮が青い「ソルダム」など、多くの品種があるすももですが、どの品種であっても犬には食べさせないでください。
微量ではありますが、未熟なすももの果肉や葉、茎などには、青酸配糖体の「アミグダリン」という自然毒が入っているからです。
また、すももの種子の中の「仁」には、「エムルシン」という酵素が含まれており、腸内細菌の酵素によってアミダグリンが分解されると、「シアン化水素」という猛毒を発生させることがわかっています。
高濃度のシアン化水素をヒトや犬などの動物が摂取すると、急性中毒を起こす危険性があるのです。
すももの種を犬にかじらせれば中毒の危険はもちろんのこと、腸に詰まってしまう危険性も伴うため、決して与えないでください。
完熟すももでも犬には食べさせないほうがよい
ちなみに、すももの果肉中のアミダグリンは、完熟に向かうにつれ「糖」に変化して消えてしまいます。
「じゃあ、完熟したすももなら、犬に食べさせてもよいの?」と思うかもしれませんが、本当にアミダグリンが消失したかどうかを私たちが見抜くことはできないため、すももを犬に与えることは避けましょう。
犬がすももで中毒を起こしたときの症状は?
犬がすももを食べ、体内でアミダグリンの分解によりシアン化水素が大量に発生すると、嘔吐や痙攣などの中毒症状を呈する可能性があります。
ヒトでも下記のような中毒症状を起こすので、犬にすももを食べさせるのは大変危険であることがわかります。
嘔吐
頭痛
めまい
血中酸素低下による皮膚の青白
異常な低血圧
発熱
肝障害
眼瞼下垂
神経障害による歩行困難
意識混濁
昏睡
場合によっては死に至る
犬が万が一すももを食べてしまったときの対処法
万が一、犬がすももを大量に盗み食いしてしまった際の対処法を解説します。
まずは落ち着いて犬の状態を観察してください。
いつもよりおとなしい、頭を振る、震えているなど、普段の様子と違っていたら、すぐに動物病院に連絡しましょう。
その際は、何個すももを食べたのか、種も食べているのかを把握し、獣医に伝えてください。
特に、超小型犬の場合は少量でも中毒を起こす可能性があるため、夜間であっても動物病院に連れていくほうがよいでしょう。
犬がすももの種を食べてしまったときの対処法
犬がすももの種を飲み込んでしまった場合、まずは窒息に注意します。
まだ口の中にすももの種がある状態であれば飼い主様は大騒ぎせず、静かに口を開けてすももの種を除去しましょう。
すでに飲み込んでしまっている場合、腸に詰まって腸閉塞を起こす可能性があるため、動物病院に連絡して適切な処置をしてもらってください。
犬にすももを食べさせてもよいのか?まとめ
未熟なすももや種部分には「アミダグリン」や「エムルシン」が入っており、体内で分解された際に「シアン化水素」という猛毒を発生させます。
たとえ完熟すももであっても、アミダグリンが分解しきっているかはわからないため、犬にすももを食べさせることは避けましょう。
また、盗み食いをさせない環境を整え、大切な愛犬ちゃんの命を危険から守ってくださいね。