犬にかぼちゃを食べさせても大丈夫!
かぼちゃは一年中手に入りますが、収穫の旬は夏から秋にかけてです。じっくり貯蔵させると甘味が増すため、美味しさの旬は初冬になります。
「栄養もあるし、ホクホクの美味しいかぼちゃを犬に食べさせてあげたいな~」と、思う飼い主様も多いことでしょう。
結論からお伝えすると、犬にかぼちゃを食べさせても大丈夫です。
今回は、かぼちゃの栄養やどんな健康効果が期待できるのか、犬に食べさせる際の注意点についてお話ししていきます。
かぼちゃの栄養が犬にもたらす健康効果
「かぼちゃを冬至に食べると風邪をひかない」と聞いたことがありませんか?実は、これはかぼちゃの栄養が豊富だからなんです。
緑黄色野菜の代表であるかぼちゃは、カロテン(ビタミンA)、ビタミンB6、葉酸、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンKといったビタミン類を多く含んでいます。
犬の体の調子を整えるのに欠かせない、カリウムやマグネシウム、鉄、亜鉛、銅、セレン、モリブデンなどのミネラル類も含み、栄養素の宝庫ともいえるのがかぼちゃです。
その中でも、特に注目したいのは、ビタミンAやビタミンC、ビタミンEの働き。この3つは、若々しさや健康を力強くサポートする“ビタミンエース(ACE)”と呼ばれています。
さらに、かぼちゃに含まれる“GABA(ギャバ)”という物質も見逃せません。
栄養たっぷりのかぼちゃが、犬にどんな健康効果をもたらすのか見ていきましょう!
ビタミンAで粘膜強化
かぼちゃが含むカロテンが犬の体内に入ると、ビタミンAという形に変わります。ビタミンAは粘膜を強くする働きを持っているため、鼻や喉、気管支が弱いワンちゃんをウィルスから守るのに役立つビタミンです。
ほかにも、細胞や遺伝子が傷つくのを防ぐ抗酸化作用があるので、老化予防やガン予防なども期待できます。
ビタミンAは、油に溶けやすい脂溶性ビタミンなので、かぼちゃを油と一緒に調理すると、より一層吸収率が高まります。
ビタミンCで免疫力アップ
犬は体内でビタミンCを合成できるのですが、激しい運動をしているワンちゃんやシニア犬になると、必要な分だけ合成できないことがあります。
ビタミンCは、皮膚や筋肉、血管、骨を構成する細胞同士を結び付けるコラーゲンを作るのに欠かせません。皮膚や粘膜に弾力を与え、細菌やストレスへの抵抗力を高める働きを持っています。
ちょっとしたことで具合が悪くなるワンちゃんや、引っ越しやペットホテルでのお留守番など、環境の変化で抵抗力が落ちやすい場面でも役立つビタミンです。
水溶性ビタミンなので、茹でると25%程度減少します。
ビタミンEで若返り!?
ビタミンEは、“若返りのビタミン”と呼ばれる脂溶性のビタミンです。強い抗酸化作用を持っているので、ビタミンAと同様に細胞が傷つくのを防ぎます。
また、血流をよくする働きもあるため、栄養や酸素を体内に届けやすくなります。皮膚や被毛の健康、老化を予防するのに効果的です。
GABAでリラックス
かぼちゃには、動植物に多く存在するアミノ酸の一種、GABAが含まれています。
人間では、血圧上昇抑制や精神安定作用がありますが、犬にもGABAは同様の働きを持っているので、動物病院でも栄養補助食品として扱っています。
精神的に緊張しやすい、興奮しやすい、ストレスによる異常行動など、リラックスが必要なワンちゃんに役立つ成分です。
犬にかぼちゃを食べさせる際の注意点
かぼちゃは加熱して食べやすくする
生で食べさせても中毒を起こす危険はありませんが、喉に詰まらせたり消化不良を起こしたりするのが心配です。
種やワタを除去したかぼちゃを、軟らかくなるまで加熱してから食べさせましょう。飲み込む力が弱いワンちゃんには、ホクホクではなく、潰してから水分を加えて滑らかにしておくと安心です。
栄養価が高いのは西洋かぼちゃ
スーパーには、日本かぼちゃや西洋かぼちゃなど、いくつかの種類のかぼちゃが並んでいますね。日本かぼちゃは甘味が弱く、西洋かぼちゃは甘味が強い傾向にあります。
栄養の高さは、断然西洋かぼちゃが勝っています。よく見かけるのは、濃い緑色に薄い線が入っている黒皮栗かぼちゃ。選ぶ際には、かぼちゃの種類も知っておくと便利です。
日本かぼちゃ:黒皮かぼちゃ、菊かぼちゃなど
西洋かぼちゃ:黒皮栗かぼちゃ、坊ちゃんかぼちゃなど
野菜としてはカロリーが高い!
かぼちゃは炭水化物(糖質+食物繊維)を多く含んでいるため、野菜としてはカロリーが高めです。
西洋かぼちゃ100gのカロリーは約90kcal。うどんは約100kcalですから、かぼちゃのカロリーの高さがよくわかるかと思います。
同じ緑黄色野菜のほうれん草と比べると約4.5倍、ブロッコリーの約3倍、ニンジンの約2.3倍です。
とは言え、かぼちゃにはうどんには少ない食物繊維が多く含まれているため、ぶどう糖の吸収を抑制する効果が期待できます。それでも毎日たくさん食べさせるのはおすすめしません。
食べる量によっては、肥満はもちろん、体に貯蔵できるビタミンAの過剰症の心配もあります。なにより、ほかのご飯を食べられなくなれば、かえって栄養バランスが崩れかねません。
犬にかぼちゃを食べさせる際は、一口程度で十分です。
かぼちゃの特徴を知って犬の健康に役立てよう!
かぼちゃには、粘膜の強化やストレスに対抗できる栄養成分が含まれています。
加熱してから食べさせることや、毎日大量に食べさせないなど、安全と安心を確保してかぼちゃを活用してみてください。