犬にイチゴを食べさせても大丈夫だが注意も必要
イチゴには、犬の体に悪影響があるキシリトールを含んでいることをご存知の飼い主様は、犬に食べさせても大丈夫か、不安があるかと思います。
結論からお伝えしますと、犬にイチゴを少量食べさせてもよいですが、あえて食べさせる必要はありません。また、大量に食べさせると中毒により命を落とす危険があります。
飼い主様と一緒にイチゴ狩りに行った際に、どうしても欲しそうにしていたら、数粒程度なら食べさせてあげても大丈夫です。
今回は、イチゴを犬に食べさせると健康効果が期待できるのか、イチゴに含まれる成分と併せてご紹介します。
キシリトールや注意点についてもお話ししますので、イチゴについての知識を高めておきましょう!
イチゴに含まれる栄養成分と犬への健康効果
イチゴにはどんな栄養成分が含まれていて、犬にはどんな健康効果があるのか見ていきましょう。
イチゴはビタミンCが多い果物
イチゴには、ビタミンCがたくさん含まれていることは、みなさんもご存知ですよね。
中ぐらいの粒のイチゴ約7粒分(100g)には、ビタミンCが62mg含まれています。果物の中では、多い部類に入ります。
ほかの果物と比べて、イチゴがどのくらいのビタミンCを含んでいるのかを把握しておきましょう。100gに相当する個数も記載しておきますので、目安にしてくださいね。
・甘味種のアセロラ(15個)の約1/13
・黄肉種のキウイフルーツ(やや大きめ1個)の約1/2強
・レモン(やや大きめ1個)の約1/3
・みかん(中1個)の約2倍弱
上記で比較した果物は、どれも犬が食べることが可能ですが、実際は嫌いな子も多いですよね。比較的酸味が少ないイチゴなら、好んで食べる犬もいます。
ビタミンCに期待できる犬への健康効果
それでは、犬の健康にビタミンCがどのように役立つのか見ていきましょう。
ビタミンCは、犬のストレスを緩和したり、免疫力を高めたりする効果を持っています。
ほかにも、皮膚や粘膜、血管の健康を維持します。日焼けによるダメージの抑制、白内障の予防などにも役立ちます。
ビタミンCは犬の体内で合成することができますが、運動量が多い犬やストレスが多い犬、老犬などは必要量が足らないこともあるので、食事から補給するとよいですね。
イチゴに含まれるそのほかの栄養成分
イチゴには、ビタミンC以外のビタミンやミネラル類も含まれています。多めに含まれている特徴的な栄養素として、ビタミンB群の「葉酸」や「ビオチン」が挙げられます。
ミネラル類では、「マグネシウム」、「カリウム」、「リン」、「鉄」、「マンガン」、「モリブデン」などが含まれています。
ビタミン類は犬の代謝を潤滑にする働きを持っており、ミネラル類は、犬の体の調子を整える働きを持つため、どちらも健康に欠かせない5大栄養素に含まれます。
また、イチゴには食物繊維や種が多く含まれているのも特徴です。
犬にとってイチゴに含まれるキシリトールは大丈夫?
イチゴには、甘味炭水化物の1種のキシリトールという成分が含まれています。砂糖のような甘さと、口に入れたときに冷たい感覚を与えるのが特徴的です。
多くの野菜や果物に含まれていますが、イチゴには特に多く含まれています。生のイチゴ1粒(約12g)には、キシリトールが約4.8mg含まれています。
それでは、犬にキシリトールが多いイチゴを食べさせても大丈夫なのでしょうか?
結論を先にお伝えしますと、体重が5kgの犬にイチゴを104粒以上食べさせると、中毒症状を起こして命を落とす危険があります。体重1kgなら20粒ですね。
ですから、小型犬が数粒程度のイチゴを食べても大丈夫、ということになりますので、必要以上に心配することはありません。
犬にイチゴを食べさせる際の注意点
盗み食いや大量摂取によるキシリトール中毒に注意
飼い主様の監督下で犬にイチゴを少量食べさせる分には構いませんが、盗み食いやイチゴをたくさん使ったジュースなどを飲ませるのは危険です。
カロリーや糖分の問題もありますが、低血糖を起こすキシリトール中毒による死亡事故につながりかねません。
また、盗み食いをしてイチゴのヘタや種をたくさん食べ過ぎれば、嘔吐や下痢などを起こすことがあります。
人間用のキシリトールは中毒のリスクが高い
人間用に作られたキシリトールガムは、絶対に犬に食べさせないでください。
キシリトールガム1粒には、約1,000mgのキシリトールが含まれています。つまり、イチゴを300個近く食べたことになります。
命の危険が伴うので、決してテーブルの上などに放置せず、盗み食いによる事故を防ぎましょう。カバンの中からの盗み食いや、道での拾い食いにも注意してくださいね。
また、キシリトールには虫歯を予防する働きもありますが、人間用のキシリトール配合の歯磨き粉は、犬の歯磨きには使用しないでください。
犬にイチゴを食べさせる際は特徴をよく知って、適切な量を守りましょう。