犬にとうもろこしを食べさせても大丈夫だが注意も必要
結論から先にお伝えすると、犬にとうもろこしを食べさせても大丈夫です。ただし、命にかかわる注意点もあるので、安易に犬にとうもろこしを与えるのは危険です。
もちろん、とうもろこしに中毒を起こすような成分は入っていませんが、飼い主様たちがいただくような、塩味やバターなどを添加してはいけません。
今回は、とうもろこしに含まれる栄養素や犬に期待できる健康効果を始め、安全にとうもろこしを与えるための注意点をお伝えします。
とうもろこしの特徴とは?
とうもろこしはイネ科の穀物で、米、小麦とあわせて世界三大穀物と呼ばれています。
私たちが普段口にするスイートコーンは野菜に分類されていますが、栄養面から見ると穀物としての特徴が強く出ています。
とうもろこしの大きな特徴は、エネルギー(カロリー)を生み出す炭水化物やタンパク質を始め、ビタミンやミネラル、食物繊維を含んでいる点です。
犬にとうもろこしを食べさせる際はカロリーも気に掛ける必要がありますよね。やはりニンジンなどの野菜よりは断然高いものの、意外なことに米の半分程度と低いのも特徴です。
とうもろこしが含む栄養成分と犬に期待できる健康効果
ビタミンB群でDNAの形成や胎児の正常発育をサポート
とうもろこしの栄養素を米と比べると、ビタミンB群のB1・B2・ナイアシン・B6・葉酸・ビオチンなどが十倍程度含まれています。中でも葉酸が断トツに多いのが特徴です。
葉酸には、ビタミンB12と伴にDNAなどを合成し、赤血球を形成して貧血を予防する働きがあります。また、胎児の正常な発育をサポートします。そのため、妊娠中の母犬が欠乏すると、胎児に口蓋裂などの奇形が発生するリスクが高まることが知られています。
ただし、とうもろこしにはビタミンB12が含まれていないので、魚や肉などとの組み合わせも必要です。
カリウムは塩分調整や止血に役立つ
とうもろこしには、ミネラルのカリウムも含まれています。カリウムには、ナトリウムとのバランスをとって血圧を調整し、細胞を正常に保つ働きがあります。
また、カルシウムと共に働くことで骨密度を高めるほか、ケガや内出血などによる止血凝固作用を持っています。
ただし、とうもろこしにはカルシウムが少量しか含まれていないため、カルシウムを含む魚や肉、小松菜、チーズ、ヨーグルトなどと組み合わせると効果的です。
カリウムが不足すると、不整脈や無気力症状を呈することがあります。食欲が落ちている期間が長引いた際には欠乏することがあるので注意してください。
食物繊維で腸内環境を整える
とうもろこしには食物繊維のうち、水に溶けない不溶性食物繊維が多く含まれているため、腸壁を刺激してウンチをスムーズに排泄する効果があります。また、老廃物を絡めて排泄するので、便秘の予防や改善が期待できます。
犬も便秘が長引くと、血流が悪くなったり血液が汚れたりします。すると、老廃物を一生懸命無毒化しようとするため、肝臓に負担がかかるので注意しましょう。
犬にとうもろこしを食べさせる際の注意点
とうもろこしはカロリーやビタミン、ミネラルなどが豊富ですが、食べさせ過ぎないようにしてください。また、安全の確保も必要です。
とうもろこしの芯は絶対食べさせない
芯が付いたままのとうもろこしを犬に与えるのは避けてください。カミカミ遊びをしているうちに喉に引っかかったり、そのまま腸に詰まったりすれば、命にかかわる可能性があるので危険です。
とうもろこしは必ず茹でる
人間でもそうですが、穀物を生で食べると消化不良を起こします。塩なしで茹でるか、焼いてください。
とうもろこしの外側部分のみをミキサーですり潰す、包丁で細かくカットするなど、犬の安全に配慮して食べさせましょう。
ドッグフードとの組み合わせは過剰摂取に注意
普段ドッグフードを食べているワンちゃんは、カロリーや栄養素を十分に摂れています。とうもろこし1/4本程度でも80kcalほどあるので、毎日食べさせていると肥満になってしまう可能性も。
とうもろこしは葉酸も多く含むので、食べさせ過ぎると過剰症になる可能性があります。常食や大量に食べさせるのは控えましょう。
食物繊維の摂り過ぎに注意
とうもろこしの食物繊維の強さは、飼い主様も経験済みかと思います。ワンちゃんは肉食よりの雑食性とはいえ、食物繊維の摂り過ぎには注意したいもの。たくさん食べ過ぎればそのまま出てくるか、消化不良による下痢や嘔吐をしてしまいます。
腎臓に病気を抱えているワンちゃんは注意
とうもろこしにはカリウムが入っています。健康なワンちゃんが少量食べるだけなら大丈夫ですが、腎臓に病気を抱えていてカリウム制限がある場合は獣医さんに相談してください。
粗悪なドッグフードの「とうもろこし」には騙されないで
市販のドッグフードの原料欄に、「とうもろこし」とか「とうもろこし粉」と記載されていることがあります。何も知らないと、健康によいと勘違いしますよね。
しかし、粗悪なドッグフードの場合、飼い主様が食べるような美味しくて新鮮なとうもろこしではなく、カビが生えているものや、芯だけを粉砕したものが入っていることがあります。値段が安いからといって、くれぐれも騙されないよう、お友達に教えてあげてくださいね。
犬にとうもろこしを食べさせるなら少量と安全に気を付けて
とうもろこしには甘さがあるので、大好きなワンちゃんも多いようです。犬の体に必要な栄養素も多種入っていますが、食べさせ過ぎや誤飲には注意しましょう。